乾癬とは?他人に感染しない病気です。


乾癬とは?他人に感染しない病気です。

「乾癬は感染しない」
“カンセン”という発音からか誤解があるかもしれませんが、乾癬は他人には感染しない病気です。

なぜなら、乾癬は皮膚に症状が見られる病気ですが、ウィルスや菌によるものではなく、免疫の異常から来るものだからです。

従って厳密には皮膚病というよりは免疫の病気と言えるかもしれませんが、通院する際は皮膚科を受診することになります。

乾癬という病気に関する医学的な情報は、通院先の医師、医師が紹介するサイト、患者会などから入手されるのが一番だと思います。

このブログでは、乾癬を発症した私の経験をもとに、患者側の視点で以下のポイントに沿ってご紹介したいと思っています。
  • 乾癬という病気の基本的なこと
  • 患者として押さえておきたい乾癬のこと
  • 治療を進めたいけど高い医療費との付き合い方

乾癬の症状

私は乾癬の患者会に所属してますが、先輩方を見ていても乾癬の症状は千差万別だなと感じています。

その上で一般的な症状としては以下のようなものがあります。
  1. 皮膚に赤みを伴った腫れ皮疹。その部分の皮膚がポロポロと剥がれる。
  2. 頭皮からフケのようなものが出てくる。
  3. 爪にポツポツと凹みがでたり、剥がれるといった異常がでる。
  4. 関節が腫れたり、傷んだり、変形したりする。
これ以外にも、扁桃腺炎になった後に乾癬症状が出るなど、本当に人それぞれです。

それでも1. 2. 3.の症状はよく聞く症状で、次第に4.の症状、あるいは痛みや変形まで行かなくても「なんか関節が強張るな」という方もいらっしゃるようです。

皮膚が剥がれることについては、鱗屑(りんせつ:皮膚から剥がれかけた状態)、落屑(らくせつ:皮膚から剥がれ落ちた皮膚片)という表現をよく使います。

特に頭皮から剥がれた皮膚はフケみたいに見えますが、不衛生にしているからではありません。

知人に乾癬の方がいて襟周りについて声かけようと思った時は「ちょっと"落屑"が、、、」といった言い方にした方が柔らかい表現になるかもしれません。

ちなみに私の場合は、1 - 3の症状は発病当初からあり、関節も強張る気がするけど、以前からそうだった気もする、といった状態です。

乾癬の原因について

乾癬の原因は免疫異常からというお話をしましたが、なぜ免疫異常が起きているのか本記事作成時点ではまだ解明されていません。

乾癬のセミナーにも複数回出席しましたが「体質的に発症しやすいところに、何かストレスが加わることで発症する」といった説明を受けることがほとんどです。

例えば、私が乾癬を発症したのは引越しをした翌月〜翌々月くらいでした。

生活環境が変わった上に、いろいろな手続きを気にしていた時期で、そうしたストレスが発症のトリガーとなったのかなと思っています。

私の例は精神的なストレスですが、引っ掻いたところが乾癬症状になる(ケブネル現象)というのもあり、物理的な刺激(ストレス)が要因の場合もあります。

そのためか、肘、膝、頭皮(髪による刺激)、腰回り(ベルトによる刺激)といった箇所に乾癬症状が出やすいようです。

免疫異常:怪我したと免疫が勘違いしたイメージです。

「免疫異常」という言葉だけだとイメージしにくいので、もう少し噛み砕いた説明をします。

免疫は病気や怪我の時に身体を守ってくれる大事な役割です。

怪我をした時、炎症を起こすのは免疫が働いてくれているからとも言えます。

しかし、乾癬の場合は、なぜか怪我もしてないのに免疫が過剰に働いて、怪我してない部分でも細胞が異常に増殖し、結果として鱗屑、落屑といった症状として現れます。

こうした症状の背景には"サイトカイン"というタンパク質の一種が関連しているとのことです。
乾癬では、何らかの刺激により、樹状細胞やリンパ球(ヘルパーT細胞など)が異常に活性化し、炎症性サイトカインが過剰に産生されます。この過剰な炎症性サイトカインの産生は、活性化した樹状細胞やヘルパーT細胞の免疫細胞内で情報伝達を調節しているPDE4※と呼ばれる物質の量が増えているためにおこります。過剰な炎症性サイトカインの働きにより、最終的に皮膚をたくさん作る指令が表皮細胞に伝わり、乾癬では通常より約10倍速いスピードで皮膚が作られます。
出典元:乾癬パートナーズ 
 難しい言葉もいっぱいありますね。

まずは「過剰な免疫機能の働き」ということと「サイトカイン」という物質が関わっていることだけでも覚えておくとよいと思います。

乾癬の治療方法

乾癬の治療方法は症状により異なります。

塗り薬、光療法(日焼けマシンではないです)、内服薬、そして生物学的製剤(通称:バイオ、注射)です。

細かくは更に分かれていきますが、症状の重さに応じてこの順で医師から説明されると思います。

ただし、光療法は設備がある病院である必要がありますし、生物学的製剤は大学病院などでないと受けられません。

私の場合、自宅近くのクリニックで塗り薬を処方されてましたが、思ったほど効果が出ず、また、光療法の設備がないようで、内服薬にスキップしました。

この辺りの私の治療の経緯については別記事でまとめてますので一例としてご参照ください。

乾癬の基本的な治療方法は【塗り薬】です。

塗り薬にも、ステロイド外用剤と、ビタミンD3外用剤、それらが最初から合わさっている合剤があります。
※勝手に混ぜてはいけません!

それぞれで塗る頻度や、効果の出方が違うので、ご自身の症状を医師とご相談の上処方を受けることになります。

私の場合、塗る頻度が気になり1日1回塗るタイプが良いと医師に希望しました。

なぜなら当初は全身に症状が出ていたので、塗るのも一苦労だからです。

朝に塗るのは時間がかかり負担が多く、夜の入浴後に塗るタイプの方が生活に合っていると考えました。

また、塗り薬が基本というのは、他の治療と並行して塗り続けるからです。

例えば私の場合は、オテズラという内服薬を服用していますが、毎日の入浴のあと塗り薬も並行して行っています。

ステロイドと聞いて怖がらないで!

「ステロイド」という単語を聞くと副作用を気にされる方もいらっしゃいますが、医師にご相談したところ「(部位によるが)皮膚に塗る分には大して心配いらない」と説明を受けました。

塗り薬が治療の基本なので、自己判断で「ステロイドだらかなるべく使わないように、、、」とは考えず、不安があれば医師に相談しましょう!

高い医療費の対策

乾癬の治療と並行して気になるのが医療費の問題です。

すでに発症して通院されている方はすぐにわかると思いますが、結構な負担額になります。

塗り薬だけなら1ヶ月 約¥5,000。
内服薬(オテズラ)+塗り薬1ヶ月 約¥20,000。
※健康保険適用した3割負担での金額

というのが私の実体験です。

健康保険には高額医療費(年齢・所得に依存)という制度があり、医療費がある金額以上で申請が認められると、後から限度額を超えた分が支給されます。

こうした制度は所属する健康保険により異なるので、ご自身の所属する健康保険のサイトで一度確認しておくことを強くお勧めします。
ここでは国民健康保険の高額医療費のサイトを参考リンクします。
公益社団法人 国民健康保険中央会:国民健康保険制度
⑧医療費が高額になったとき(高額療養費)

治療内容や所属する健康保険によりますが、乾癬の医療費は丁度限度額に届かないくらいの金額だったりします。

実は私が正にそれに該当し、試行錯誤して医療費対策した記事がありますので参考になればと思います。

最後に

今までブログで散発的に乾癬との生活の工夫について書いてましたが、今回初めて「乾癬そのものを紹介する記事」を作成しました。

この記事は乾癬の最新情報や詳細情報というよりは、乾癬という病気を知らなかった方や、最近発症してしまった方向けの情報となっております。

実はこうした乾癬そのものについての記事を書くことに躊躇していました。

なぜなら、まだ乾癬の根本的な原因はまだ明確になっておらず、治療方針も個人に応じて多様、また乾癬になって何に困っているかも人により異なります。

つまり「これが正解だ!」ということが言い切れないからです。

そのため、本ブログでは患者としての私の実体験と、通院した際の医師のご指導を元に作成し、極力読者の方に誤解がないように努めて作成いたしました。

乾癬は症状にも悩まされますし、治療する上での悩みも様々です。

従って、結局のところは、ご自身にあった治療方針を医師の方とよく相談されることが治療の第一歩と思います。

そのための一助としてこのブログが役立てば幸いです。

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