【体験】うつ病だろうが成果は出せる - 国際会議で研究発表&受賞
こんにちは、ちくわぶです。
うつ病になったら成果はだせないか?
確かに発病してから不便に思う場面は多々あります。自信喪失にもなりました。
それでも成果が出せないかと言われれば絶対にそんなことはないと思ってます。
私は2016 - 2018年にかけて雑誌論文2通採録、国際会議で研究発表&受賞という成果を達成しました。(上の写真は研究発表した時のものです)
私のように研究者ではなく、所謂サラリーマンという立場にとっては身に余る光栄です。
今回の記事では、この活動について紹介し「うつ病だからってやれることはある!」ということをお伝えできればと思います。
きっかけはある研究者との仕事
本記事記載時のプロフィールにこのようなこと書いています。
- 発病という経験があったからこそ、逆に挑戦しようと思えるようになり、海外での研究発表・受賞といった貴重な経験をさせてもらえました。それまでの私ではやらなかったであろう挑戦の結果です。
本記事は上記の挑戦についての話です。
当時の私はある研究所と協力して先行開発に携わってました。
この時に担当いただいた研究者が本当に優秀な方で、研究者は先端技術の研究、私は研究成果を製品化するためのマネージメント、という体勢で取り組むことができました。
その過程では様々な方に御助力いただきましたが、私の先行開発が"先行開発"たらしめたのはこの研究者の方があってこそだと思っています。
私も一応技術者ですので、製品の技術的仕組みなどは理解できます。
しかし、研究者の方が持ってきた資料は一般的な製品開発の技術とは異なり、まさに「研究」であり、様々な論文を読み技術背景を理解していないと全く理解できませんでした。
結果として、研究者の方に噛み砕いて説明してもらってようやく概念程度には理解できるようになりました💦
私の会社としてはそれで十分だったのかもしれません。私の会社が行うのは製品開発し販売することであり、研究を行うことが目的ではありませんので。
しかし、今後その研究者の方と一緒に仕事するのであれば、私もある程度研究内容を理解できる素地を作らねばと思ったのです。
そこで、私自身も論文作成を通して研鑚しようと思い立ちました。
論文作成は「仕事」ではない。
結論から言って私の論文作成作業は、自己啓発作業、例えば個人的に英会話スクールに通うのと同じ扱いになりました。
ただし、研究には会社の技術資産を使うため、業務に支障を出さないことを条件に勤務時間に作業してよい、という扱いです。
前述したように私の会社は製品開発して販売して利益💰を得ています。論文を作っても企業利益にはなりません。
恐らくそうなることはわかっていましたので、私も「会社には迷惑をかけないから、とにかく研究に必要な技術資産を使わせて欲しい」と上司に懇願し作業着手の了解を得ることができました。
補足
ちょっと冷たい上司のような印象になってしまうので補足します。
実際にはこの上司は相当な融通をしてくれました。なぜなら、部門として論文作成は成果として認めてもらえません。
そのため、気持ちとしてはやらせたくても安易に部下(私)に許可を出すことはできないからです。
まして、まだ体調も安定しているわけではない私です。万が一、再度休職にでもなってしまったらそれこそ問題になってしまいます。
最終的には、会社には迷惑をかけない、自己責任において行う、という私の熱意に親心で了解してくれたのです。
本気になったら援軍がやってきた。
上司の了解を得ていよいよ本気モードです。
ですが、論文なんて大学の卒論以降書いたこともありません。そもそもどこの学会に投稿するんだ?とわからないことだらけです。(不勉強で申し訳ありません。。。)
しかし、本気になって自分から動いてみると方々から助力を得ることができました。
恩師という援軍💪
早速つまづいてしまい論文といえば大学と思って母校の恩師を訪ねることにしました。
即答で「私が論文指導するから挑戦しましょう!」と言ってもらえました。
卒論を書いてから10数年。まさか、また恩師の元で再度論文に挑戦することになるとは思いませんでしたが、恩師は「それが君の時だったんだよ」と言って頂き、感動で何も喋れなくなったのを覚えています。
"研究者の方"という援軍💪
前述した一緒に仕事をした研究所の研究者にもご相談に上がりました。
というのも、この方との仕事の中から研究成果を論文にするので、研究者の方は「共同研究者」となります。必ずお話しておく必要がありました。
直近まで一緒に作業していた訳ですから、私の研究者としての"程度"もよくご存知でした。
詳しくはかけませんが、イロハを知らない私に本当に丁寧に指導いただきました。
正直、一番お世話になりました。ただただ感謝しかありません。
元上司という援軍💪
前述した論文作成を許可してくれた上司とは別で、先行開発をしていた時にお世話になった上司です。
この方も「共同研究者」となります。正直、今となっては別の仕事をされてますので無視することもできたはずでした。それでも快諾してくれ様々アドバイスをしていただきました。
そして休日はなくなった。
激動です😭😭😭
冒頭に雑誌論文2通、研究発表1回と記載しまいしたが、これが終わるまで土日も、お盆も、ゴールデンウィークも研究にあてました。(平日は通常業務がありますので)
慣れない作業というのもありましたが、論文、、、舐めてましたね。
ですが、ご好意でご指導頂いている援軍の方々もいらっしゃるので「諦める」という選択をする気は全くなく「今は迷惑をかけてるかもしれないが必ずやり切る!」という決意で押し切った感じです。
厳しいご指導もいっぱい頂きましたが、お陰で研究というものの崇高さを少しは感じることができました。
人類が様々な研究・検証を重ね、一枚一枚書き表したもの、それが論文として世の中に公開される。
それ自体も名誉なことですが、その一つ一つの論文が過去から積み上げた人類の資産なんだと今はとらえています。
最後には会社も援軍💪になった。
論文としての成果は雑誌掲載の方が大きいのですが、印象に残ったのは国際会議での研究発表の方なので、そちらだけお話ししたいと思います。
研究発表の権利を得るには、事前にその研究内容が査読(発表に値するか第三者が確認すること)され、承認された研究だけが発表の権利を得られます。
無事、発表権を得ることはできましたが、中国での発表となりましたので、投稿費用とだけでなく渡航日・宿泊費といった消して安くない費用が発生します。
前述したように自己責任で行っている論文作成作業です。自己負担でなんとかするつもりでいました。
しかし、ここで手を打ってくれたのが今の上司でした。
私が国際会議に出られることを知ると「費用を今すぐ資料にまとめよ」と指示され、その資料をもとに上層部に掛け合ってくれたのです。
その結果、国際会議の出席は「業務としての海外出張」として扱っていただくことができ、本来は自己負担の予定だった費用を全額会社が負担してくれました。(出張手当てもつきました)
国際会議での受賞、社外にも公表
最初は発表を"こなす"だけで気持ち的にいっぱいいっぱいだったのですが、援軍の方々が押し出してくれた国際会議の場。「手ぶらでは帰れない」ってなりますよねぇ〜。
詳細は割愛しますが、とにかく必死に練習を重ねました。
発表前日もホテルの部屋で結構な音量で練習してましたので、隣の部屋の方はだいぶ迷惑だったと思います。(気にしてる余裕なんてありませんでしたけど💦)
英語もまだまだ心許ない状態でのぞんだので本当に身に余る光栄です。頂いた賞状は今も壁に飾らせてもらっています。
こうした活動は会社のサイト上で社外向けにも掲示され、自己啓発活動だった論文作成も業務成果として実らせることができました。
うつ病だからってやれることはある!
論文の書き方さえわからない状況からでもここまで来れました。
活動し始めた時はまさか中国に行って賞まで頂けることになるとは思ってもいなかったです。
確かに、奇跡なんじゃないか?と思うくらいみなさまのお力をお借りしながらの成果です。
それでも「やる!」と私が言い出さなかったら始まらなかったことです。
もちろん、体調には個人差がありますし、不調なのに無理するのは非合理的です。
それでもその人に合った形で「本気」になる時が必ずきます。そしてその人の「本気」に応えて自然と援軍はやってきます。
私も、発病してから何か今までと違って物事をスムーズに運べないと感じる時が多々あります。
きっとそれは、うつ病だからっできないのではなく、私に合う「やり方」「頑張り方」が今までとは変わったんだと今は思っています。
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