メンタル不調後は働き方改革

メンタル不調で休職→復職すると以前とは違った働き方が必要だったりします。
作業量も少な目にしたり、職場の理解を求めたり。それでも前まで出来ていたことがやり辛くなり、なんか辛いという状況です。

そうしたそれまでの生活との何かの不一致の原因は医師の皆様にお願いするとして、実際に「何かが変わった生活」をしている以上、原因はどうあれ、現状の課題をどうにかする方が価値的です。

この記事では私が取り組んだ働き方改革について記載します。また、復職者を雇用する経営者、事業主の方にも参考になるようにご紹介いたします。
photoBさんによる写真ACからの写真

メンタル不調後は働き方改革

復職あるいは転職する時って色々な思いがあると思います。
その一つに【前と同じように働けるか(成果をだせるか)?】という点です。

結論から言って私は無理でした。

私の場合、発病前は【やれることはなんでもやろう!それが経験になる!!】といった思いがありました。

その経験が私を育ててくれたのは確かなのですが、復職してからは身体も心も追いついていかないのが分かりました。

手探りの働き方改革でしたが、結果として自分の責務がどこまでなのかを意識することで、無用な不安を抱えずに済んだり、新しい職場でも順応しだすことができました。

それを4段階でご紹介します。

順応の4段階 1段:ハードルを下げる。
2段:自分の範疇外はあえて無視する。
3段:言われたことだけやる。
4段:自分個人が業務で抱えている責任範疇を把握する。
これを実施した時の時間と成果の推移についてイメージ図を作成しましたので参考にしてください。
1-3段までは作業量を減らす方向で、4段で復調後の自分なりのやり方に気づき始め成果がで始める。
願わくば働き方改革が上手くいって以前より良い成果を出せるという願いも若干込めてます。

私としては4段まで行ってようやくスタートラインだなと感じています。(今の私の状態)

こうしたやり方はもちろん個人差はあって、1段でハードルを下げた段階で何とかなってしまう方もいれば、4段まで行って自分の責任範疇が大きすぎたと感じで5段6段が必要な方もいると思います。

1段:ハードルを下げる。

これはもう、多くの方が最初に取り組んでいるのでないかと思います。

よく車のエンジンを例えに「ギアは1段から発進しますよね~」的な意味で、いきなり全力ではなく、少しずつ負荷をかけていくための段階です。

ハードルを下げるための行動例は以下のようなものがあります。
・簡単な業務から着手する。
・完璧さを求めない。
・業務量自体を減らす。(時には"無理です"と言う)

また、参考までに職場側ができるフォロー方法について紹介します。

職場側のフォロー例
・直接の担当は持たせずサポート業務。例:メールの宛先にせずCCにさせる。
・客先には出さない。どうしても必要なら一人では行かせない。
・忙しくても定時退社。

1.5段:"これぐらいなら可能"よりハードルを下げる。

単純にハードルを下げるのは多くの方が行うと思うのですが、下げ幅について言及したいです。

結論から言うと【”これぐらいなら可能”より下げる】です。

もちろん、そこまでする必要がない方もいらっしゃると思います。

ここで言う”これぐらい”は、以前の自分ベースで考えてしまっている場合です。

言わずもがな、それは以前の尺度であって、今でもそれが妥当とは言い切れません。
「あれ?こんなの負担になるようなことじゃないのに、、、」という時は、注意してください。

2段:自分の範疇外はあえて無視する。

今までのご経験もあり、業務していると「あ、そこはあの件も気にしなきゃいけないのでは?」といった気づきがあると思います。

結論としては【自分の業務範疇外なら無視】です。

ちょっと無責任に思えるかもしれませんし、不親切に思えるかもしれませんが大事なことです。

理由は3つあります。

無視する理由 1)上司が把握していない業務に着手する可能性がある。
2)気づきも含めて担当部署(者)の責務であって貴方の責務ではない。
3)あとで上司に報告して上司判断のもと担当部署(者)に伝えれば良い。
3つにわけましたが、根本的には1)に集約されます。
気持ち的には早く戦力となるよう助言したいかもしれません。

しかし、せっかく貴方の復調にあわせて部署も業務調整してくれているので業務範疇外のことに口を出すと業務があなたに寄ってきてしまいます。

それは業務調整を行っている上司の足枷になってしまいますし、何か問題が発生した場合に上司がサポートし辛くなってしまいます。

また、職場の業務はそれぞれ担当部署(者)がいるので、その分野はその部署が責任を持ってらっしゃいます。
付随する問題点の洗い出しを含め担当部署(者)にやってもらいましょう。

それでも気になってしまう場合、会議の場などでは言わず、あとで上司に伝達の要否も含め報告し判断してもらいましょう。

そうすれば、貴方の役に立つ知見がポジティブに受け入れられます。

3段:言われたことだけやる。

2段と似たような話ですが、より強調する意味で設けました。

復職直後は言われたことだけをやるくらいのつもりでOKです。

良くも悪くも復職直後に高い成果など周囲から期待されていないです。(期待していたら職場側に問題あり)

周囲が気にしているのは、しっかり継続して出社できるかな?見えないところで無理してないかな?とかです。

例えば、貴方が高度な専門的能力を持っていたとしても、それが発揮されるのは定常的に出社できてこそです(最近はテレワークという働き方もありますが)。

定常的に業務に関われることが分かれば上司にとってもより高度な仕事を任せられるという安心感が湧いてきます。

例えば、貴方が上司なら、定常的に出社できない状態の社員に、(その社員が真面目で高い能力があっても)何か仕事を任せるのは不安ではないでしょうか?

4段:自分個人が業務で抱えている責任範疇を把握する。

ここまでは自分が抱える作業を削る方向の話でしたが、それは第4段である【自分の責任範疇を知る】ためのものです。
(偉そうに言ってますが私の手探り努力の結果論です)

それがよくわかるように、自分に責務のないことを削ぎ落していく作業が1-3段です。

色々な人が協力し合って業務が成り立ち、成果が生まれることは言うまでもないですが、その上での自分個人の責務(Responsibility)が何なのかを明らかにしていきましょう。

第1段でハードルも下がっているので難しいことばかりじゃありません。(例えば"定常出社する"が周りの期待値だったりするわけですから)

なんなら、直接上司に「今の私に期待する成果ってなんですか?」と聞いてみるのも手です。

発病前ならなんとなく聞きづらいことかもしれませんが、復職・転職後は目標設定も変わっているので聞きやすいタイミングです。

まとめ

今回の記事では、メンタル不調から復職・転職後に自分の責務は何なのか?を明確にすることで職場に順応していくのを4段階でご紹介しました。

復調して仕事をする時、早く成果を出したい、職場の戦力となりたい、といった思いはより一層かもしれません。

しかし、そもそも今の自分に課せられたResponsibilityが何なのか意識していないと、その業務が達成できるかどうかわかりません。

結果的に不安から「あれもやっておこう、これもやっておこう」と無限にやる事が増えてしまいます。
それが新たな不安を呼ぶきっかけになってしまいます。(不安払拭のためにやってるのに残念な結果になってしまいます)

所謂、ON/OFFの切り替えで「この作業はしっかりやろう(ON)」「これはある程度適当でいいな(OFF)」がわかるようになれば、何が負荷となりやすいかも分かりやすくなってきます。

復職者が休職中どのような生活をしているか、どういった生活から仕事に戻ってくるのかについて、別記事で紹介していますのでご参考までに。

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