文化が違いは"理解"ではなく"知る"

apple12さんによる写真ACからの写真

文化の違いは"理解"ではなく"知る"

職場の外国人と文化の違いからうまく意思疎通がいきませんか?
そんなコミュニケーション問題の原因は、海外と日本の文化の違い、、、という言葉だけで頷いてしまうと解決しないかもしれません。
この記事では、そんな時に違いは理解できなくとも、【知ることはできる】ということについて記載しています。

この記事に興味を持っていただいた方となると、日本人の方で、日本の職場の部下・後輩・同僚に外国の方がいらっしゃるという方が多いかと思います。そこにフォーカスしています。
時間の無駄にならないように先に申し上げると、上司が外国人という場合は異なる課題が出てくるので、ここで記載する内容はあまり参考にならないかも知れません。

さて「文化が違うからなかなか意見が合わないよね」そのご意見は正解かもしれませんが、それでは問題が解決していません。

一緒に仕事をする以上、業務進捗させるための職場環境を構築しなければなりません。

文化の違いは理解するのではなく"知る"

例えば宗教観は一概に語れるものではありませんよね。

敬虔な方もいれば、そうでない方もいます。そして大事なことは「そこまで熱心に信仰しているわけではない」と言っていたとしても、自分の尺度で"熱心さ"を測ってはいけないと言う点です。これは本当に大事です。

その人にとっては熱心というほどではなくても、信仰はその人の普段の生活の常識や価値観に影響を与えていることはよくあることです。

例えば、日本人であるあなたが特定の信仰を持っていなかったとして、それでも入院している友人に綺麗だからと仏花を持っていくことはないと思います。

でも、もし外国人の方が見舞いに来た時、綺麗だったからと花束に仏花が混じっていることもあるかもしれません。「え?あなた無宗教なんでしょ?関係あるの?」という話になるかもしれませんね。

本人は無自覚でも、しっかり人生観に根付いていたりするんですよね。

ちょっと常識外れに思われても気持ちは伝わります。

そうだったとして、日本の文化に詳しいわけではない海外の方からの差し入れであれば、【見舞いに来てくれた】という方に気持ちが向きませんか?

忘れてしまいがちですが、花を持っていったというよりも【入院しているあなたが心配で来たんです】ということの方が見舞いの本質であることに気がつけば、そんな違いは大した問題になりません。(次回は注意するとしても)

この例を逆の立場で考えてみるのはどうでしょうか?

確かに、相手からすればちょっと常識外れかもしれない。でも、それはこちらがそうした文化を知らないからであって、相手を大事に思っていることは伝えられた。そっちの方が価値的ではないでしょうか?

雇用側としては文化の違いをどうするか?

雇用者が異文化と感じる方を雇い入れる場合は少し話が変わります。

一緒に仕事をするということだけにフォーカスするのであれば、相手に期待するのは「いかなる信仰・文化か?」でも「どれだけ敬虔か?」でもなく「どういった仕事の戦力になってくれるか?」です。

従って質問するのであれば、信仰や文化についてではなく【何に配慮して欲しいか】です。

そもそも、その方の信仰や文化を聞いてもこちらが理解できるわけじゃないですよね。

だから、例えば「こういった仕事内容を、こういったスケジュールでやって欲しいのだけど、一緒に働く上で職場に配慮して欲しいことはありますか?」といった質問をします。

様々な文化の違いがあったとしても、"仕事をやってもらう"という点に重きを置くのであれば、その方の戦力を最大化するための配慮は何か?を考えれば良いわけです。

もちろん、その先に、多様な文化を包含できる人間関係の構築を目指すことを否定してはいません。
ただ、日本人同士だって相手の価値観を理解するのは簡単ではありません。それでも、理解はできなくても【相手のことを"知る"】ということはできますよね。

文化の違いは優先順位の違いとして考える

"知る"、"知る"と連呼してきましたが、何を知ろうとしているかというと【相手のことを"知る"】ということではあります。
それをもっと具体的な表現をするなら【優先順位の違いを知る】という表現がピッタリと思っています。

これを気づかせてくれたのは、実は私の日本人の後輩なんですけどね(笑)

後輩の彼は、アフターファイブを自分の趣味に使うのが最優先です。(趣味というと怒られてしまうかも知れませんw 彼にとってはアフターファイブの方が勝負なのかもしれませんから)

当初、私は彼のことをよくわかってなかったのでその行動に無責任さを感じてしまうこともありました。今思うと偏見的・差別的だったと思っています。
異文化だなんだと言っておきながら、目の前の異なる価値観に気づいてなかったわけです。

しばらく一緒に作業をしていくうちに【彼にとってはアフターファイブの方が業務評価よりも優先順位が高いのかもしれない】と思うようになりました。

そう思うようになってから、私から彼に指示する内容は変わり「この業務は優先度が高いので今日中(○○日まで)に終えるように」といった内容になりました。

もちろん無理な作業量を指示しているわけでもないですし、別の業務と被っていれば調整をとります。

ただ私からは、いつ迄に終えて欲しいか(細かくは業務成果の期待値も含めて)を伝えて、それをどのような時間配分で達成するかは、彼自身に判断させるようにしました。

これで彼は気兼ねなくアフターファイブを自分のために使えますし、私は自分の業務スケジュールを守れます。

共有する部分、干渉しない部分

この例で申し上げたいのは、相手と共有する部分はどこで、干渉しない部分はどの部分なのかを私が"知った"ということです。

今回の場合は、"時間"というリソースの部分で私と彼に考え方の違いがあり、お互いが共有する部分(〆切)と、干渉しない部分(時間配分)を分けたという話になります。

この記事でアフターファイブに彼が何をしているかはあえて触れてません(プライベートでもありますし)。それは、この記事を読んでいただいている方に、アフターファイブに何をしているかを想像して欲しくないからです。

個人的な接点を持つのであればプライベートな時間について話題にすることもあるでしょうが、業務視点だけで考えるのであればそもそも知る必要がないからです。

少々冷たい言い方ですが、雇用する側からすれば、アフターファイブが信仰の時間であろうが、オンラインゲームの時間であろうが関係ありません。
期限までに必要な成果物が得られるように情報共有しておけばよいわけです。

ここが前述した【質問するのであれば、信仰や文化についてではなく何に配慮して欲しいか】につながります。

その人にとって、その時間では別の用件の方が優先度が高いということを知った上で工数配分や日程管理すればよいわけです。

とりあえず鍋はリスクが高い!!

とはいっても、一緒に仕事をする時間をお互いより楽しくすごしたいですよね。

でも、【鍋】はリスクが高いです!

1つの鍋を一緒に突き合う、いい感じに聞こえますがハイリスクです。もう〜、ブログネタとしてはこれを書きたいがための今までの話だってくらいです(笑) →実際は笑えません。

食文化に違いがあることは有名ですが、鍋には海、山、野菜、肉、色々な食材が入っていて、それを煮込むスープの素材に何が入っているか(例えば肉エキスなど)作った人すら知らないということもあります。

それを、口にできない食材がある人に出すのは、、、まずいですよね。
ちなみに、口にできない食材があるというと信仰面の印象が強いかも知れませんが、ビーガン(Vegan)といった菜食主義の方もいらっしゃいます。

とはいっても、鍋も日本の食文化の代表ですので、一緒に楽しみたいという思いもあると思います。
そんな時は、水炊きにして一緒に作るところから関わってもらえば口にできない食材が混入してしまうリスクを回避できますし、よりお互いを知るきっかけにもなります。


最後に、口にできない食材がある方と親睦を深めたいのならば、その方の国の料理を一緒に食べに行くというのもおすすめです。
大概の日本人であれば、好き嫌いやアレルギーはあったとしても、そんなに食べられないものはないと思います。

相手と親睦を深めるために、相手の食文化に触れるというのも良い機会だと思います。

別の記事でコンテクスト違いによるコミュニケーション違いについて紹介してますので是非こちらもご参照ください。

コメント

このブログの人気の投稿

【体験】乾癬治療の医療費削減のための工夫 その2

【体験】うつ病だろうが成果は出せる - 国際会議で研究発表&受賞