知りたいことを訊き、言いたいことを言い、聞きたいことを聴く
知りたいことを訊き、言いたいことを言い、聞きたいことを聴く
仕事で質問したことに期待した回答をもらえない、言ったことが伝わっていない、そんなミスコミュニケーションにお困りですか?
その原因は【知りたいことを訊き、言いたいことを言い、聞きたいことを聴く】という会話になっているからかもしれません。
その問題を回避する方法として訊き方、回答の仕方のテンプレートな表現を控えておくと便利です。
質問して、回答して、聞きとる ができない
なんでこんなにも人との会話ってすれ違ってしまうんでしょうね。
友人と会話を楽しむなら会話自体を楽しんでいるので、その話の行先がどこであろうと会話自体を楽しめます。
正直言うと、、、そもそも私も会話は上手くないなと思っています。色々と考えが浮かんで自分から話を逸らしてしまうといったこともしばしば、、、
でも、業務上の情報伝達となるとそうも言ってられません。
必要な質問はする必要がありますし、逆に質問されれば必要な回答をする必要があります。
それなのに、質問して、回答して、聞きとる、という一連の流れのどこかでミスコミュニケーションが発生してしまうんですよね。
その結果、以下のようなことが起きます。
- 質問とは違う回答が返ってくる。
- 回答内容を相手が理解していない。
- 回答を得たはずなのに自席に戻ると何も解決していない。 ←これやっかい
こうしたことが起きてしまうのは【言いたいことを言い】【聞きたいこと聴く】という思考が働き【質問に回答するのではなく言いたいことを口にし】【聞きたいこと以外の話は耳に入ってこない】という現象が起きている場合があります。
この記事ではこの3つの視点にフォーカスして、ミスコミュニケーションを抑えるためのテンプレートな言葉を用意しておくという方法をご紹介いたします。
この記事ではこの3つの視点にフォーカスして、ミスコミュニケーションを抑えるためのテンプレートな言葉を用意しておくという方法をご紹介いたします。
質問とは違う回答が返ってくる。
質問したのに「そんなことを聞いてるわけではない」と言いたくなるような回答が返ってきてしまう場合があります。
問題は質問する側にも回答する側にもある可能性がありますが、ここでは質問する側ができる工夫について記載します。
結論は【(1)○○について訊きたいのですが、(2)□□の問題をどのように対応すればいいですか?】です。
もちろん、あなたの言いやすいようにカスタマイズすればいいのですが、浮かばないならこのテンプレートに訊きたい質問について穴埋めしてみてください。
例:(1)新規開発プロジェクトについて訊きたいのですが、(2)日程遅延の問題をどのように対応すればいいですか?
問題は質問する側にも回答する側にもある可能性がありますが、ここでは質問する側ができる工夫について記載します。
結論は【(1)○○について訊きたいのですが、(2)□□の問題をどのように対応すればいいですか?】です。
もちろん、あなたの言いやすいようにカスタマイズすればいいのですが、浮かばないならこのテンプレートに訊きたい質問について穴埋めしてみてください。
例:(1)新規開発プロジェクトについて訊きたいのですが、(2)日程遅延の問題をどのように対応すればいいですか?
(1)は、この会話のテーマ・議題を宣言する発話です。
あなたが訊きたい(2)の問題は何の案件で起きている問題か相手と意思疎通ができているとは限りません。相手が複数の案件を抱えていれば話が一致しないどころか、勘違いを誘発し別の案件の話をしてしまうことさえあります。そのため、相手の理解を助けるために最初に議題を宣言します。
(2)は、具体的に訊きたいことを伝える部分です。
これがタイトルにもなっている【知りたいことを訊く】の知りたいことの部分です。質問者が話したいのは(2)の部分なので、いきなり(2)から話し出してしまい会話のミスマッチが起きてしまいます。
そして、ちょっとした工夫として"問題"という表現を言葉に含めます。これにより、この話を"問題"として質問者が認識していることを伝えることができます。
ちなみに特に工夫なく訊きたいことだけを口にしてしまうと以下のような言葉になってしまいます。
これがタイトルにもなっている【知りたいことを訊く】の知りたいことの部分です。質問者が話したいのは(2)の部分なので、いきなり(2)から話し出してしまい会話のミスマッチが起きてしまいます。
そして、ちょっとした工夫として"問題"という表現を言葉に含めます。これにより、この話を"問題"として質問者が認識していることを伝えることができます。
ちなみに特に工夫なく訊きたいことだけを口にしてしまうと以下のような言葉になってしまいます。
「日程遅延について教えて下ください」
ちょっと極端な例にしましたが、これでは何の日程遅延なのかわかりませんし、何を教えて欲しいのかもわかりません。
「わからない」部分は相手から聞き返されるならまだ救いはあります。
しかし、さらに厄介なのは、"わからない部分"、つまり未"定義の部分"については、相手が勝手に解釈してしまうことができるため、"誤解"となってしまい、会話が成立しなくなってしまいます。
回答内容を聞きてが理解していない。
次に、質問された側ができる回答の工夫があります。
まず、前述したとおりわからない部分、未定義な部分について相手に聞き返すということが必須です。
「あの件だろ?そんなのわかってるよ」でも、あなたの当たり前が、相手の当たり前であるとは限らないですよね。
さて、その上でできる工夫ですが、
【(1)の(2)についての回答は(3)○○です(ます)。ただし、(4)□□という点に注意しなければなりません。】
です。
月並みですが(3)の"結論を先"に回答します。(4)は付加情報なので存在しない場合もあります。
ですが、ここで大事なのは回答者の言いたいことは(4)の方だと言うことです。
回答者にとって(3)の結論は容易に答えられることの方が多いです。(答えを知ってると思われてるから質問されてるわけですので)
しかし、(3)の回答を鵜呑みにされると困るから、(4)の方が回答者にとって優先的に質問者に伝えたいことになります。
つまり、これが【言いたいことを言い】です。
工夫をした場合の例は以下のようになります。
例:新規プロジェクトの日程遅延対策ついての対応は、(3)明日より人員増加で対応します。ただし、(4)経験者ばかりではないという点に注意してください。
では、工夫をせず(4)の【言いたいことを言い】だけ話した場合は以下のようになります。
「経験者ばかりではないので注意してください。」
このように回答されて質問者が「なんのことですか?」とさらに質問できれば、誤解を回避できそうですが、この文章には「注意してください」という"指示"が含まれています。
対応方法を聞いて"指示"をもらえたわけですから、質問者の欲求が満たされたような気になってしまう場合があります。
これで質問者がなんとなく納得してしまうと、いよいよわけのわからない話しになっていきます。
これで質問者がなんとなく納得してしまうと、いよいよわけのわからない話しになっていきます。
回答を得たはずなのに自席に戻ると何も解決していない。
(4)【経験者ばかりではない】ことに注意すればいい、ということだけ聞いてきたとします。
自席に戻って関係者に連絡をしましょう。
(2)と(4)だけの情報になりますので以下のような情報展開になってしまいます。
(2)と(4)だけの情報になりますので以下のような情報展開になってしまいます。
「日程遅延対策は経験者ばかりではないことに注意してください。」
これだと現在のプロジェクトメンバーの能力不足を指摘しているような連絡内容になってしまい問題解決していません。
これまでのやりとりを工夫せずに行っていた場合は以下のような会話になっています。
- 「日程遅延について教えて下ください」
- 「経験者ばかりではないので注意してください。」
- 「日程遅延対策は経験者ばかりではないことに注意してください。」
これを回避するために回答者に確認を取るテンプレートが以下です。
【(1)○○の(2)□□の問題については、(4)□□に注意し、(3)○○すればよいですか?】
という確認を質問者が回答者に取ればいいわけです。これで回答者が「そうです」と言ってくれればお互いの意思疎通ができたと言う確認ができます。
曖昧な回答を得てしまい、どう聞き返せばいいのかわからない場合は、自分の理解をそのまま文章にして相手に言うと言うのも手です。
【つまり、あなたは(2)の問題を解決するには(4)をすればいい、と仰っていますか?】
例:「つまり、あなたは(2)日程遅延対策は、(4)経験者ばかりではないことに注意すればいい、と仰っていますか?」
この内容は、質問者が関係者に伝えようとしていた内容がそのまま入っていますね。
つまり、この質問には「関係者にはこのように伝えますが皆さんが理解できる内容ですか?」という意味合いも含まれています。
回答者にとってはQAをそのまま返されて、質問の回答になっているか確認する工程が発生します。
1Point
この会話を実際にやると効果があっても非常に機械的な会話ですよね。円滑なコミュニケーションという意味ではもう少しテクニックを用いることができます。
それは質問して(4)のような逸れた回答を得た場合「なるほど(4)が必要なんですね」と、相手の回答を受け取った意思表示をした上で、「具体的には(2)の問題はどのように対応すればいいですか?」と"一旦聞いてから再度質問する"という方法です。
「私が聞いているのはその回答ではなく、(2)の問題への対応です」と言うのも間違ってはいないのですが、相手の意見を否定するところから始まってしまい、回答者の(質問に対する回答ではなく)言いたいことである(4)を伝えたい欲求が満たされないまま会話が進んでしまうので、話を順路に戻せても回答者は欲求不満を抱えてしまいます。
そのため、回答者の欲求である(4)のアウトプットを先に満たしてあげる((4)は理解できましたと言う)ことにより、質問者が本来確認したかった(3)「人員増加」と言う話について質問者と回答者がフォーカスできます。
まとめ
この記事のまとめです。
- 質問時:【(1)○○について訊きたいのですが、(2)□□の問題をどのように対応すればいいですか?】
- 回答時:【ご質問の回答は(3)○○です(ます)。ただし、(4)□□という点に注意しなければなりません。】
- 回答の確認:【(1)○○の(2)□□の問題については、(4)□□に注意し、(3)○○すればよいですか?】
- 回答が曖昧な場合:【つまり、あなたは(2)の問題を解決するには(4)をすればいい、と仰っていますか?】
- 曖昧な回答への対応:相手の言いたいことを一旦聞いてから再度質問する。
回答者は回答しようとしつつも【自分が言いたいことを言ってしまいがち】、質問者は【聞きたい部分だけ聞いてしまいがち】ということ念頭に置いておくとミスコミュニケーションを抑えることができます。
また、(4)のような回答が出てきてしまう理由は「(3)の人員増加という具体的対応は相手も当然知っているだろう」というお互いの前提条件のアンマッチによる場合があります。
質問者側も(4)だけ聞いて納得してしまうのも、自分の勝手な解釈で問題である(2)の解決案が(4)であるかのように考えを補完してしまうからです。
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